最終更新日:2006年11月9日
忘れてたやーい!2005年完全私的映画ベスト10!
〈洋画〉
〈邦画〉
バンバン書くって言ったのにこの始末。でも、家が燃えたりしたんだぜ? 救助されたぜ。きっと次回は、もうちょい早く、いやしかし。ちなみに、今回の見逃し映画は「疾走」「ある朝スウプは」「輝ける青春」「セルラー」「サマー・タイムマシン・ブルース」「ハッカビーズ」「自由恋愛」「愛についてのキンゼイ・レポート」ってとこか(痛恨順)。結構頑張ったと、虚空に胸を張っております。ただし、純然たるエンターテインメント作品が弱かったかもしれず、「ボーン・スプレマシー」を入れるべきだったような気も。まあランキングなんてそんなもんよね。かつて、あの傑作「ファイト・クラブ」を不明にも10位にした俺だし。ところで最近、インターネットを見始めましたよ。悪口雑言が飛び交ってて、恐ろしいところでした。くわばらくわばら、さようなら。
主演男優賞…山崎まさよし「8月のクリスマス」
クリント・イーストウッド「ミリオンダラー・ベイビー」
主演女優賞…柴咲コウ「メゾン・ド・ヒミコ」
ヘレン・ヘイズ「理想の女」
助演男優賞…金田龍之介「交渉人 真下正義」
助演女優賞…吹雪ジュン「タッチ」
レネー・ゼルウィガー「シンデレラマン」
ある日ふと、これからはガンガン書くぜい! と思ってしまったので、これからはガンガン書きます。ちょっと蔵出し的な感じもありますけども。
えーと
ティム・バートンの最新作「チャーリーとチョコレート工場」面白かったですよ。
周囲の他人達も非常に堪能してました。あらすじは簡単。貧乏ないい子が憎たらしい子らに混じり不思議な不思議な工場に招かれまして、クソガキ共はこっぴどい目に遭い、いい子は特別にいい思いをすると。どこがって訳じゃないですが「クリスマス・キャロル」みたいでした。ついでにちょっと屈折した工場のオーナーもいい子の影響下に置かれてめでたしめでたし。老若男女が納得できる方向性と言えるでしょう。
しかし。皆様と同じく、いやそれ以上に喜びながら、僕はずっと首を捻り続けていたのであった。この笑いを、どのくらいの人が共有できるとゆうのか?ティム・バートンは、ギャップを楽しんでるだけなんじゃないだろうか。だって工場内の出来事はほとんど話とつながり無いし。誰もが夢見るチョコレート工場の内部が散々勿体付けた挙げ句ひとつも工場らしくなく、ファンシーでクソガキ共の懲らしめ方も合理性皆無。
そして何故か、そこには常に歌と踊りが溢れてる、ってゆう「何故か」こそが重要なテーマに違い無いと、僕は思います。
そうゆう観点でいくと、この無内容さはリュック・ベッソンの変なSF「フィフス・エレメント」に大変近い。ただしあっちは作者の遊び心しか無くて苦痛だったけど、こっちは明確なストーリー展開で全客層をあまねく、まんまと取り込んでやがる。やりやがったな! と思ったら、ベッソンよりティム・バートン本人の「マーズ・アタック!」の方が似てるや。あれは好きと嫌いがびっくりするほど別れたね〜。その反省もあってこんなになったんでしょう。成長した! と、小泉首相風に締めても構わないですが、話はそう単純じゃない。
ここまで温存した本作品最大の謎は、工場のオーナーに扮するジョニー・デップの役作りが何故に、どう見てもマイケル・ジャクソンなのかって事です。つまりファンシーなチョコレート工場のモチーフはネバーランドか。孤独な天才への共感それとも提言? 興味深いと言えば物凄く興味深いながら、それ以上を考えるのは甘く危険な罠とゆうもんで、普通の人は普通に楽しめばいいと思います。映画ばっかし観てるとこうなるよ。気を付けよう。
こないだチャップリン映画祭ってゆうのに赴きましてですね、やっとですけど主だった作品は網羅出来た気がする(「のらくら」「巴里の女性」レベルまで)ので、たまには平凡な題材で能書き垂れるのも悪くないような今の気分。たまにはって我ながら怠け過ぎですけど、仕方ないんだもーん「モーターサイクル・ダイアリーズ」観たらベストテン作るもーん!
そんなグズ夫がグズなりに決め付けますと、完成度とゆう点で最高峰に位置するのは、結局のところ「モダン・タイムス」('38)でいいんじゃないかと思います。
「独裁者」('40)の時代性とか「殺人狂時代」('47)の毒、「ライムライト」('52)の感傷も捨て難いが、何よりもまず、チャップリンは面白い事をするチョビひげのおっさんだから。
厳密に言うと彼は同時にテーマの人でもあるので、「モダン・タイムス」の思いっ切り露骨なメッセージ性が人により好き嫌いの別れるところでしょうけど、もうちょっと良く見ていただければ、文明批判とか小難しい主題を表現するために、チョビひげがいかに下らない演技をさらけ出しているか分かるはず。あのー、あれですよ、歯車に巻き込まれたり、レバーをいじりまくって迷惑をかけるやつ。当時でもまだ基本的にサイレントを守って無言で暴れ回ってますが、仮に台詞を付けたとしても「キャッキャッ」か「ワーイワーイ」としか言わせようが無い悪ふざけ。
もしこれが現代の京都・太秦で撮影されてたら、早速もう、ひっぱたきに行きますよ「馬鹿野郎!」と。でも突っ込み、いらねーんだよな、余りにボケが的確で。芸人としてのチャップリンを堪能すべく作られた大傑作と言っていいんじゃないでしょうか。ただしこの映画、リアルタイムで彼を追ってきたジャーナリズムのお歴々にはやや不評のご様子。いつもの芸をやっているだけらしい。ふーん。まあ、それ以前にドタバタ喜劇の決定版「黄金狂時代」('25)があるからなあ。
しかし、そっちはそっちで尊重するとして、画質がいいのは「モダン・タイムス」あたりからだし、作品としてスマート。おまけに今の感覚でいっても本作品のポーレット・ゴダードよりいい女は思い付かないため、初心者にはこっちが面白いよと、僕は主張したいところです。
ところがさあ、本題ですけど、そんなの「サーカス」('28)を観てしまうと霞むわけ。なんと21世紀の現在、これほど笑える映画があるかと言えば、皆無なわけよ。ちょっと前なら「メリーに首ったけ」くらいか。
ストーリーは、ストーリーってゆうか、チョビひげのおっさんがサーカスに入ってハチャメチャするだけ。そんなの今じゃMr.ビーンしかやんないけど、チャップリンには正直な話、あんな寒々しさなんか微塵も無いのが恐ろしい限りで、奴こそまさに、人を笑わせるために生まれてきたギャグ・マシーン、いやさコンピューターだぜ! と力みたくもなろうってもんです。いろんな映画でよく彼は、他人のケツを力一杯蹴っ飛ばして喜々としてますけども、大の大人がという感じをチョビひげや表情や、運動神経を使って完全に表現し、それだけで作品になっているさまを見れば誰でも、余人の及ぶべくもない域にその男が達していると理解していただけるに違い無く、「モダン・タイムス」が性に合ったら絶対に「サーカス」を観るべきだ! と断言して、この辺に致します。
あそこまでパフォーマーとして完成されてしまえば、別ジャンルと言っていいトーキーを敬遠したのは全く当然。そんな彼も「モダン・タイムス」で少し歌って「独裁者」でようやく喋り、ついにはチョビひげすら取り去って「ライムライト」の最後でまだやれるぜと、バスター・キートンを相方に激しく本領発揮し、やがてこの世を去るのでした。
余談ながら、カラー+トーキーってスタイルは、いまだに答えを見つけてないですね。ついつい過去に逃避しがちなわたくし。
MEGUMIに叱られた〜い! その感情にまさるとも劣らないくらい私的な、2004年私的ベスト10!
〈洋画〉
次点 ボン・ヴォヤージュ
〈邦画〉
次点 理由
俺は何故、人様の作品を勝手に採点しているのか? と、時折我に帰りつつ、結構いいのが揃ったんでは? 「バッドサンタ」「マッスルモンク」「ふたりにクギづけ」「チルソクの夏」「21グラム」「オアシス」「ヒッチハイク」「69」「モンスター」など、痛恨の見逃し映画もあるにはあるが(痛恨順)。何しろ、全然更新してない自分に反省しきりですよ。今年こそはって、もうすぐ夏か。何とかします。話は変わるけど、鈴木清順の「オペレッタ狸御殿」って、想像しただけでハラハラするね。多分観ません。そして頑張れ、貴乃花。
主演男優賞…岡田義徳「ワイルド・フラワーズ」
チェ・ミンシク「オールド・ボーイ」
主演女優賞…榎本加奈子「犬猫」
ダイアン・レイン「トスカーナの休日」
助演男優賞…北村一輝「ゴジラ FINAL WARS」ほか
助演女優賞…鈴木京香「ゼブラーマン」「血と骨」
レニー・ゼルヴィガー「コールド・マウンテン」
TV部門特別賞…草野仁