存在しない技術 Advent Calendar 2021の7日目です)


クリスマスセーターの図案生成技術


この季節にときたまSNSでマイルドなバズが観測される「クリスマス柄のファンシーセーター」ですが、パーティにはライトな大惨事のような装いをしたい(または他人にそういう装いをしてほしい)という人類普遍の欲求をかなえるべく、近年では機械学習による生成画像でインパクトを狙い、さらに毛糸を限界まで細くして解像度を上げるのがトレンドです。(セーターの解像度単位はspi : stitch per inch)




しかし、機械生成画像はわりとすぐ見慣れちゃう、なんかコッテリしすぎて認知にもたれる、という難点があり、「視認性の高さも大事にしたい」「三歳児が笑う程度には低文脈に抑えてほしい」などの要望がたびたび現場から上がってきていました。

そこで、「わざと最悪を目指すより、良いものを作ろうとして破滅的な結果を迎えるほうが表現にコクが出る」という原点に立ち返って、サンタさんに図案をつくってもらう方式が案出され、現場からも好評で迎えられています。

■サンタをあらしめる
サンタは非存在なので、電子的に生成します。

■サンタの実存を解決
人工実存なので、十分にケアしないとこじれて自壊します。人工実存としての時給の相場などを提示して、完全に納得してもらえるよう、説明をつくしましょう。

■サンタをメタバースに住ませる
サンタはメタバースに住みたがりません。え、だって、虚構でしょ……? シミュレーション宇宙論を説明し、シミュレーション宇宙論的には入れ子を下るほどタワマンでいう高層階になる、という価値観を提示しましょう。

■サンタ、家賃の高さに不満をのべる
メタバースの賃料高騰は大きな社会問題になっています。しかも家主はみな原状回復へのこだわりが非常に強く、壁紙もそのままになっていなければダメだといいながらテクスチャに経年劣化のアルゴリズムが仕込んであり、理不尽。

■サンタ、絵を描いてもいいよと言う
なんかいろいろ振り回しちゃってすいません、そんな、ぜんぜん無理しなくてもいいので…… こちらはすっかり恐縮しますが、サンタは、いいよ、なんか純粋にやってみたくなったから、とにっこり笑って描画インタフェースに向かってくれます。


■最終出力